ポーランド映画『パプーシャの黒い瞳』


Cześć, cześć!

Paulaですこんにちは!

イーダ』がアカデミー賞で外国語映画賞を受賞しましたね!!素晴らしい快挙です!!ポーランド中が喜んでいました(^▽^ *)本当におめでとうございます!

さて、そんなニュースが飛び込んできた中、足取り軽くわたしが向かったのは、とある試写室。昨日は今年の4月に公開になるポーランド映画『パプーシャの黒い瞳』を観てきたのです。

© ARGOMEDIA Sp. z o.o. TVP S.A. CANAL+ Studio Filmowe KADR 2013    

■あらすじ
書き文字を持たないジプシーの一族に生まれながら、文字に惹かれ、言葉を愛し、詩を詠んだ少女がいた。ブロニスワヴァ・ヴァイス(1910-1987)、愛称はパプーシャ。ジプシーの言葉で”人形”という意味だ。やがてジプシー女性として初めての「詩人」となる。しかし、その天賦の才能は彼らの社会において様々な波紋を呼び、その人生を大きく変えることになった・・・。

予告編


ジプシーという民族は、ヨーロッパにおいて約600年にわたり、貧困と差別の中に生きてきた放浪の民。文字を持たず、教育も受けず、幌馬車で転々と移動しながら暮らしている人たちです。物語の主人公であるパプーシャは、幼い頃から文字に惹かれ、独学で読み書きを学びました。そこで、一族のクンパニア(キャラバン)に転がり込んできたポーランド人詩人、イェジ・フィツォフスキと出会い、その才能を発見されることになります。

© ARGOMEDIA Sp. z o.o. TVP S.A. CANAL+ Studio Filmowe KADR 2013

  森と川のほかは、
  だれもわたしをわかってくれない。
  歌にしてきた森と川の物語は、
  みんな、みんな死んでしまった。
  なにもかも、それといっしょに行ってしまった… 
  そして青春の日々もまた


パプーシャが語る詩は純粋で美しく、少ない言葉で物事の本質を捉えるよう。映画はモノクロで撮られ、その絵画と見紛うほどに美しい映像美に圧倒されます。ポーランドに今も残る広大な草原や森の中を、ジプシーたちが幌馬車をいくつも引いて移動していく映像は本当に美しかった!!貧しくても音楽に満ちあふれ、時代に翻弄されながらも自由に生きるジプシーたちの生き方は、目先のことにとらわれ、たくさんの重荷に囲まれた現代のわたしたちから見ると魅力的にすら映ります。

映画では、1910年から1971年までパプーシャの軌跡を行ったり来たりしながら描きます。ナチスのホロコーストの対象となった第二次世界大戦、強制定住計画が発令された共産時代の幕開けとジプシーにとっては受難のときが続くなか、パプーシャの運命もまた大きく翻弄されていきます。彼女の詩が出版されたことで、結果として一族を追い出されてしまうのです・・・。
© ARGOMEDIA Sp. z o.o. TVP S.A. CANAL+ Studio Filmowe KADR 2013

これ以上はとにかく映画を観ていただきたい!本当に美しくて素晴らしい映画でした。ジプシーたちの特異な文化や生き方を映像として見られる貴重な作品でもあります。主要人物3人を除いたキャストはすべて本物のジプシーで、職業俳優はほとんどいないとか。
またパプーシャを演じたヨヴィタ・ブドニク、パプーシャの夫役のズビグニェフ・ヴァレリシ、イェジ役のアントニ・パヴリツキはポーランド人俳優ですが、映画全編をジプシーたちの言語、ロマニ語で撮るために1年かけて言葉を覚えたんだそうです!おかげで、映画に圧倒的に説得力と重みが増していました。

ポーランドのおばあちゃんがよくジプシーの話をしてくれました。幌馬車でやってきた話とか、こっそり占いをしてもらった話とか。わたしが床まで届くロングスカートを履いていると、よく「Cyganka(ツィガンカ)*ジプシーの意」って言われたなぁ。去年たまたまイェジ・フィツォフスキ著の『太陽の木の枝ージプシーのむかしばなし』を読んだこともあり、ジプシーの存在に惹かれていた中で映画を観ることができたので感無量でした。ちなみに、この本はジプシーの民話集なのですが、今まで聞いたことある昔話とはもう全然違うのです!ほかの民族と交わらず、一族の秘密を固く守ってきた彼らの歴史と、その鮮やかで個性的な物語にとても惹かれました。

彼らが書き言葉をあれだけ嫌うのは、本当は<言葉>というものが持つ力をよく知っているからなんじゃないかなぁ、と思います。

こちらは映画のプロモーションとして、ポーランドの国民的歌手、Kayah(カヤ)とオペラ歌手Elżbieta Towarnicka(エルジュビェタ・トヴァルニツカ)が歌うパプーシャの詩です。

Kicy Bidy Bokha


モノクロームの映像美で描くジプシー初の女性詩人パプーシャの軌跡。是非、映画館に観に行ってみてください☆


公開情報
4月4日(土)より 岩波ホール(東京)ほか順次公開
監督・脚本:ヨアンナ・コス=クラウゼ、クシシュトフ・クラウゼ(『借金』『救世主広場』『ニキフォル 知られざる天才画家の肖像』)
撮影:クシシュトフ・プタク、ヴォイチェフ・スタロン 
音楽:ヤン・カンティ・パヴルシキェヴィチ 
出演:ヨヴィタ・ブドニク、ズビグニェフ・ヴァレリシ、アントニ・パヴリツキ ほか
オフィシャルサイト:http://www.moviola.jp/papusza/
配給:ムヴィオラ

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2013カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭スペシャル・メンション 
2013バリャドリッド国際映画祭監督賞・男優賞・青年審査員賞
2013グディニャ国際映画祭メイキャップ賞
2013テサロニキ国際映画祭観客賞(オープン・ホライズン・セクション)
2014イスタンブール国際映画祭審査員特別賞
2014ポーランド映画賞 楽曲賞・撮影賞・美術賞

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