【インタビュー】ZAKOPOWER(ザコパワー)

Witam!!

Paulaです〜☆
今日は11月にポーランド、ワルシャワで行ってきたZAKOPOWER(ザコパワー)のボーカル、Sebastian Karpiel – Bułecka(セバスティアン・カルピェル-ブウェツカ)とのインタビューをUPします!
彼らのレーベル、KAYAX本社の一室でお話しさせていただいたSebastianはとても背が高くてイケメンのナイスガイでした!!
ではどうぞ♪♪

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2013年は中国へ行ってライブをやったんですよね。どうして中国行きが実現したのですか?

2010年に上海で開催されたEXPO 2010で行ったライブで、良い印象を与えることができたんだ。北京にあるポーランド大使館や多くのオーガナイザーにライブが気に入られ、ライブのレビューも好意的だったので、次の出演へとつながったんだよ。大使館とアダム・ミツキェヴィチ・インスティテュートの強力なサポートのおかげで、大きなフェス、ミート・イン・北京・アート・フェスティバルの主催者に興味を持ってもらえた。招待をしてもらって、その間にとても有名なストロベリー・フェスティバル、ウェーブ・ミュージック・フェスティバルでプレイしたよ。


各国からバンドを招待していたんですか?

そう、たくさんの国からね。インターナショナルなフェスだから、世界中の国から来たアーティストと知り合うことができたよ。


中国はどうでしたか?

あれは僕たちにとって、とても興味深い冒険だったよ。北京の他にも、西寧や蘭州といった首都から遠い地方都市でもプレイしたんだ。そこは中国とヨーロッパの違いがさらに顕著だったね。北京はもちろん地方ではなおさら文化は違うし、人々も、人との接し方も、食べ物も、空気も違う。すべてが違って、とても面白かったよ。
ライブに関して言えば、僕たちは向こうの観客にとても良く受け入れてもらえたよ。僕はそれに非常に驚いたんだ。だって、僕らは彼らが分からない言語で歌っているからね。しかし、それはまったく障害にならないって今回分かったよ。彼らはすごく盛り上がってくれたから。ミュージシャンとして僕も願うところだけど、現地の観客は特に音楽的に大事な瞬間に、それをすばらしく感じてくれたんだ。例えば、ソロ部分や、実際感情が強く込められたエネルギッシュな場面なんかでね。これには本当に驚いたよ。彼らへのサプライズとして、僕らの曲を1曲中国語で歌ったよ。まとめると、どの点においても中国遠征は僕らにとって非常に興味深くて、成功を収められた体験だったよ。


きっと日本でも同じような反応があると思います!

そうだね、日本人は音楽に対してとてもオープンだよね。日本人はジャズやクラシックも好きだし、とても音楽的な民族だ。もう一つ中国で驚いたことがあったよ。中国人に向けた音楽ワークショップをやって、ポドハレ地方の楽器の演奏の仕方や、歌い方を教えたりしたんだけど、音感がない人に一人も出会わなかったんだ。皆とてもクリアに歌っていて、それが僕にとってはなかなかあり得ないことだったね。きっと世界の東側は音楽的に非常に優れているんだよ!笑

BOSO(裸足で)



既にたくさんのライブを外国で行っていますよね。今後、インターナショナルな活動や、英語で歌うことを考えていますか?

もしその必要性があるなら、やらない手はないよね。もちろんだよ。とはいえ、歌を翻訳するのがそんなに重要なことかは分からないけどね。なぜなら、音楽は感情だから。中国での経験がいい例だよ。彼らは僕らが何を歌っているのか分かっていなかったけど、すごく盛り上がっていたし、その感情をまったく正しいやり方で受け取っていた。音楽とは国境を越える言語だから、そこまで歌詞にこだわる必要はないんだ。とはいえ、歌詞の内容が分からないより分かっているにこしたことはないけどね。僕らはオープンだから、もしその必要があるなら、そこまで成長できたなら、もちろん英語でも歌うよ。


日本に来たことは?

いや、一度も行ったことはないんだ。実をいうと、日本に行くのは僕の大きな夢なんだ。もしライブをやりに行かないとしても、必ず旅行に行くよ。


日本に来たら訪ねてみたい場所や、やってみたいことはありますか?

正直言うと、一番僕が魅了されているのは日本料理なんだ。(笑)それに美しい国だし、山がある。僕は山岳地帯出身だから、絶対に行ってみたいのは、オリンピックや毎年スキージャンプの世界大会が開かれているような札幌や白馬だね。僕はスキージャンプの大ファンだから、それらの地域は是非行ってみたいよ。他に、ここヨーロッパではよく知られていないけど、日本は長くて興味深い歴史を持っているから、是非それについての知識を深めたいと思う。


寿司以外で気に入っている日本のものや、日本にまつわる思い出はありますか?

ポーランドに住んでいた梅田 芳穂(*)という友人がいたよ。残念ながらもう亡くなったんだけど、彼に出会うことができた。彼は素晴らしい人だったから、日本人に関してはとてもいい印象しか持っていないよ。


とてもオリジナルでユニークな音楽をやっていますよね。バンドを結成したとき、すでにこのスタイルを考えていたのですか?

僕の出身地の伝統を紹介したかったんだ。僕は山岳地帯、ザコパネの出身だ。あそこには、世界の他のどこにも見られない、独特で非常にオリジナリティのある民俗文化がある。だからザコパワーを結成したとき、出来るかぎり多くその民俗文化を僕らの演奏に取り入れたかった。そのとき、完全に民族音楽にしたかったのではなく、現代音楽の流れや新しいサウンドとポドハレ地方の文化や音楽を混ぜ合わせたものにしたかった。恥ずかしげのなく言わせてもらえば、結果的にとても面白い音楽的試みが出来上がったよ。僕らの音楽のおかげで多くの人々が、ポーランドの山岳地帯の伝統音楽に注目するようになったと思う。僕は、僕たちの民俗文化ほど僕らにとって豊かなものはないと考えているんだ。それによって僕らは世界から引き出されているし、それが僕らを独自の民族たらしめているんだ。だから、民俗文化を大事にし、それを紹介することはいつも強調したいと思う。


あなたにとっての山岳文化とはなんですか?ポーランドの一般の文化とは大きく異なりますか?

異なるよ。山岳衣装は他では見つけられないくらい、まったく独自の衣装だ。習慣、方言、音楽、舞踊など、他の地域にはない独特のものがあるよ。とはいえ、そもそもポーランドは民俗文化においてとても豊かなんだ。どの地方にもそれぞれ独自の文化があって、どの地方も異なっているからね。民俗文化の発展に関して、一番ダイナミックな場所はポドハレ地方、山岳地帯だと思うよ。


あなたを音楽へと動機付けた人はいますか?

僕の家族は音楽的にとても深い伝統を持っているんだ。僕の父も兄弟もバイオリンを弾くし、子供の頃から音楽は常に身近な存在だったよ。ポドハレ地方ではそう機能しているんだよ。家族の伝統を持っている家が多いんだ。

GALOP(ギャロップ)



では小さい頃から楽器を習っていたんですね?

7歳の時からバイオリンを習っていたよ。他の楽器は後から覚えたんだけど、バイオリンが最初だった。他の楽器というのはポドハレ地方に特有の楽器のことで、つまりポドハレ式のバグパイプや管楽器のことだよ。もちろん子供の頃から山岳民謡で歌っていたよ。


はじめは大学で建築を学びながら、音楽活動をしていたんですよね?

そう、勉強しながら、音楽もやっていた。実際僕のバンド、ザコパワーは大学卒業後に結成したんだ。でも在学中も、ミュージシャンの友達と各地を回って、山岳民族音楽を演奏していたよ。外国にも行ったし、ずっと活動していた。でも幸いなことに勉学のための時間もちゃんと取れたんだ。


ポドハレ地方で家を設計しているんですか?

設計しているよ。ザコパネに建っているいくつかの家を設計している。その地方の特徴をおさえた、ザコパネ風のスタイルで設計してあるんだ。とても独特な木造建築で、典型的なポドハレ地方にある建物だよ。とはいえ、現代的になるよう苦心しているよ。固有の、伝統的な建築に、ガラスやコンクリートなど近代的な要素を導入しているんだ。山岳建築の伝統的な特徴を踏襲した上でね。


設計をする時の思考はあなたの創作に影響を与えていますか?

そうだね。そもそも音楽と建築というのはお互いとても結びつきが強いと思う。芸術分野において近い関係にあるし、補完しあっているんだ。双方のジャンルにおいて、即興という行為があるし、制作のプロセスも似ている。誰かがいつか 、『建築とは風景の中の動かない音楽である』と言っていたんだけど、とても的確な表現だと思うよ。音楽も建築も多くを語られること、つまり多すぎるのを好まない。音が多すぎると、音楽は消化不良なものになってしまう。同様に建築でも、要素が多すぎたり、ブロックが大げさに使われていたりすると、良い雰囲気が出ないんだ。だから、音楽と建築は間違いなく共通点を多く持っているよ。


あなたにとって音楽とは?

音楽は僕の人生だ。それに多くの時間を費やしている。自分がやっていることを愛しているし、そう感じられて本当に自分は幸せ者だと思うよ。


作品の制作プロセスを教えてください。

最初に作曲をしてから、その曲に詞を書くよ。たくさんのリハをした後、最後に録音スタジオに入る。曲は実際にはスタジオで最終的な形になるんだ。


Dziewczyna o perłowych włosach(真珠のような髪の女の子)


ZAKOPOWER(ザコパワー)は最も人気なバンドの一つだけど、こんなに有名だと大変ではないですか?

人生なんでもそうだけど、良い面と悪い面があるよ。時には助けになるけど、疲れていたり、自分の思いに一人でふけりたかったり、身分を隠したかったりするのに、それができない時は良くないよね。でも僕は悲観していないよ。知られていることで嫌な思いをしたことは一度もない。有名であることに慣れてきているし、なんとかうまくやっているよ。


もう次のアルバムの準備は始めていますか?

うん。今、来年(*2014年)に出る予定のアルバム制作に取りかかっているよ。どんなアルバムになるかはまだ何とも言いがたいな。これまで発表してきたものとは、間違いなく異なるアルバムになる。いくつかの部分を変えたいし、今まで全く違う方法で録音したいと思っているけど、まだ早すぎてこのことについてはどんな話もできないんだ。僕らのコンセプトはまだ変わるかもしれないしね。


無人島に3枚だけCDを持って行くとしたら、何を選びますか?


きっとジャズのCDになるだろうね。絶対コルトレーン、それからポーランドの著名なジャズバイオリニスト、ズビグニェフ・ザイフェルトのCD。あとはマイルス・デイビスのCDのどれかかな。ジャズが好きなんだ。ジャズは僕をミュージシャンとして進化させてくれるし、音楽として僕の人生に何かもたらしてくれるものがあるから。それに、とてもジャズはとても自由な音楽。僕は音楽においてそんな自由さがとても大事だと思っているんだ。

ありがとうございました!!

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彼らの音楽をもっと聴いてみたくなった方は、こちらのリンクへGO♡♡



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