9.25.2015

【インタビュー】Hatti Vatti(ハティ・ヴァティ)


Witam!

 Paulaです、こんにちは!
だいぶ時間が経ってしまいましたが、3月に来日したエレクトロ・ミュージシャン、Hatti Vatti(ハティ・ヴァティ)のインタビューをお届けします。名古屋と東京で、一緒に来日したMisia Furtak(ミシャ・フルタク)とともに素晴らしいライブを見せてくれました。インタビュー内には、その後も超多忙な活動を続けているHatti Vatti(ハティ・ヴァティ)の新譜情報もありますよ♪ Misia Furtak(ミシャ・フルタク)との新たなユニットも!?

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日本は楽しんでる?

とても楽しくて、もっと長くここに残りたいぐらいだよ。例えば僕はヨーロッパ中をよくツアーするけど、ツアーに出ている時は、いつでも家に帰るのが楽しみなものだ。だけど、今回は全然帰りたくないよ。本当に。


どこが一番気に入った?

全部だよ。日本で訪れたどの街はそれぞれ違っている。東京は非常にたくさんのことが起こっていて、ものすごく多くの人が街にいる。すぐ横の横浜はビジネスって感じの街で、京都は美しく、穏やかだった。ここ名古屋は、そのすべての要素を合体させたような雰囲気があるね。どの街も違うけど、どこか似ている部分があるところが面白いよ。でも、僕にとっては東京が一番面白いな。渋谷には心を奪われたよ。



何にインスパイアされて「TOKYO」という曲を書いたの?

映画『ロスト・イン・トランスレーション』が好きで、何回も観ているんだ。俳優の演技や音楽、街の写し方が素晴らしいと思う。サントラを持ってて、たくさん聴いていたよ。おかしなことがあったよ。映画の大部分は渋谷が舞台になっているよね。で、僕らは飛行機から降りてすぐ電車に乗って、そのまま渋谷に着いたんだ。ワルシャワのオケンチャ空港からまっすぐ、あの有名な交差点に!それなのに、僕らはこれがあの交差点だって分かってなかったんだよ。電車の中から見ながら、「あの交差点に随分似てるなぁ」って思って、何でもなかったみたいに通り過ぎちゃったんだ。(笑)最高だったよ、大きなインスピレーションだったね。

僕が録ったのではないけど、「東京」という曲の中には東京の街で録音された音がサンプルされている。この曲の共同プロデューサーであるマンチェスター出身のシンクロも、日本カルチャーの大ファンなんだ。僕が今ここにいるのも、彼が1年前にここでプレイしたおかげでもあるんだ。僕らの音楽でコミュニティーを作っていて、彼がいろいろ手助けしてくれたんだよ。日本という点でいえば、シンクロはKiyokoというサイドプロジェクトも持っているよ。





音楽を始めた頃のことを教えて。

僕はプロのミュージシャンではないんだ。初めての音楽制作は10年前。PCで、霧の中の子供みたいに間違えながら作ったよ。僕の家は音楽を聴く家庭ではなかったし、長いこと楽器ひとつ弾けなかった。25歳になってようやく楽器が弾けるようになったんだ。ギターとキーボードを少しね。とにかく10年前に音楽をやり始めた時は、何もできなかった。

エレクトロ・ミュージックの場合、最初のデモから最初のバイナル・リリースまでかなり長く時間がかかることが多いから、僕はラッキーだったよ。シンクロやそのクルーを知り合ったおかげで、2曲しかレコーディングしてなかったのに、それを2008年に12インチでリリースしたいと言ってくれた。サラ・ブリレフスカとのシングルだったよ。素晴らしいアーティスト、アンディー・ストットにリミックスしてもらった「Great」は最終的にB面に入ったけど、これを録音することになったのも彼らのおかげなんだ。とても光栄だったよ。そのあとはアルバム1枚、2枚と自然につながっていった。これまでに10枚のレコードをリリースしているよ。今も数枚を製作中。レコードを愛してるんだ。


音楽を聴く家庭ではなかったなら、何が音楽へと駆り立てたの?

MTVをたくさん観てたんだ。90年代のMTVは今とまったく違うものだった。ビョークやシニード・オコナー、ケミカル・ブラザーズ、イギリスやドイツのエレクトロものが流れてて、スポンジみたいにそれを吸収したよ。高校ではボーズ・オブ・カナダやエレクトロ系のダブを聞いてた。ティーンエイジャーの頃は、同時にグラマティクもたくさん聴いたよ。アトミック(ポーランドの音楽番組)でよくグラマティクのMVが流れていたのを覚えてる。後になって、ヌーン(グラマティクの元プロデューサー)もエレクトロをやってるって知ったんだ。彼のCDは、僕にとって「ワオ、まさにこんな音を作りたい、この雰囲気が僕には100%合ってる」って思わせてくれたエレクトロのCDの最初の一枚だった。ヌーンは大きなインスピレーションだったのに、10年後の今じゃ一緒にアルバムを作って、ライブをやってるって、とても不思議な気分だよ。


どうやってヌーンと連絡をとったの?

偶然なんだ。グダニスクで僕がとあるパーティーでDJをしている時に知り合った。DJしてる時、なんだかあの男はヌーンに似てるなって思ったんだけど、ちょっとありえないよなって気がした。なぜなら、それは真夜中のグダニスクのビーチにある、とても小さくて雰囲気のあるクラブで知り合いがオーガナイズしているパーティーだったからね。でも後になって、友達がヌーンだって紹介してくれた。そうして仲良くなって、音楽やそれ以外のことでも話せるようになったってわけ。


『HV/NOON』には何かコンセプトがあったの?

ヌーンはもうヒップホップをやりたくなかったんだけど、僕は逆だったんだ。いつもヒップホップを作ってみたかったんだけど、それまではやったことがなかったし、アイデアも持ってなかった。それが鍵になった。レコーディングの時に大事だったのは、アルバムがヒップホップにならないってことだった。アルバムにあるヒップホップ的要素は偶然の産物なんだ。でもアルバムを聴くと、ヒップホップってわけじゃない。十数曲が収録されているうち、ラッパーが参加しているのは半分だけだからね。ラップの曲だって、ビートやトラックはヒップホップ的じゃないんだ。


ミシャと活動するようになったきっかけは?

ミシャはラジオ番組を持っていて、僕を招いてインタビューしてくれたんだ。ちょうどその頃、アルバムに誰か女性ボーカリストに参加してもらおうって話していて、僕はミシャを提案した。彼女はポーランドで一番のボーカリストだと思うから。もちろん他にも素敵なボーカリストはいるよ。プシブィシュ姉妹は素晴らしいと思うし、メラ・コテルクザ・ダンプリングスのユスティナ・シフィェンスたちもいい作品を出しているよね。リトル・ホワイト・ライヤーズというバンドのカシャ・クレンチakaケイティーとも一緒に仕事してて、彼女はHatti Vatti(ハティ・ヴァティ)のプロジェクトをやる時のメイン・ボーカリストなんだけど、HV/NOONの音楽にはたぶん合わなかったんだ。それに、ポーランド語のアルバムを作りたいと強く考えていたんだけど、ケイティーはポーランド語では歌わないんだよね。

ミシャとのインタビューの後、一緒にワインを飲みに行って、アルバムに興味を持って、参加してくれたら嬉しいって話をした。それでミシャとの曲ができて、MVも作ったし、とにかく仲のいい友達になったってわけさ。今二人で、FFRANCIS(エフランシス)っていうユニットを作ったんだ。デビュー作となる2曲入りの7インチ・シングルが、9月の終わりにU Know Meレコーズからリリースされるよ。でも、もう15曲くらいできていて、仕上げをしているところなんだ。





今後の予定は?

ケイティーと以前にレコーディングした EPが、もうまもなくレコードでリリースされる。その後、ミシャとのエレクトロ・ユニット、FFRANCIS(エフランシス)があるね。HV/NOONとしての初のライブがワルシャワのレッドブル・ミュージック・ウィークエンドである他、オプネルやオーディオリヴェル、タウロン・ノヴァ・ムジカなどの音楽フェスにも出演するし、秋にはツアーにも出るよ。また二人で何か作品を出すかもしれないな。

それから、ステファン・ヴェソウォフスキという友達とNANUK(ナヌク)というプロジェクトで、前者とはまったく別の作品を作ってる。ステファンは非常に才能のあるバイオリニストで、ピアノも弾くんだ。彼はMuteというレーベルと契約したりと、受けて当然のキャリアを積んでいるところだよ。僕らは同じ街出身で、友達なんだ。以前にソポト映画祭やグダニスクのニェメィ映画祭に招待されて、映画に合わせて生演奏したんだ。それがきっかけで、一緒にアルバムを作ろうということになった。サイドプロジェクトって感じだよ。もう何度かレコーディングしていて、アルバムは半分できてる。僕がやっているようなエレクトロニカではないけど、むしろ少しだけ坂本龍一&アルヴァ・ノトやベン・フロストの作品に近いかな。ステファンのファンが馴染んでいるようなアコースティックなサウンドでもないよ。


自分の音楽をどう定義してる?ダブから始めて、今はエレクトロやアンビエントをやっていたりと、常に変化しているよね。

本当のところ、ずっと僕にとってはひとつの同じことなんだ。少し違うやり方でやっているだけ。僕にとって、ダブはレゲエ・ダブじゃなくて、音楽の実現手段としてのダブなんだ。つまり、空間やリバーブ、エコー、ミニマリズムが多くあるということ。ダブは多くのジャンルでできる音楽なんだよ。それに僕はなんらかのジャンルを目指したり、示唆したりしているわけではないんだ。自分の音楽を聴くとき、ラッパーやボーカリストが参加していようが、バイオリンが入っていようが、僕にはすべてがひとつのジャンルというか、みなひとつの分母を持っているんだよ。僕はとても多様な音楽を聴くんだ。ハッピーハードコアからA Winged Victory for the Sullen(ア・ウイングド・ヴィクトリー・ フォー・ザ・サルン)までね。僕の音楽ジャンルは広く言ってエレクトロ・ミュージックだな、実際オペラやブルースとは大きく異なるわけだしね。それが僕にとってのジャンルで、アンビエントやドラムンベースやジュークじゃない。そういう細かいジャンル分けは意味がないと思ってる。



いつか一緒に仕事してみたいアーティストっている?

少しいやらしく聞こえるかもしれないけど、一緒に仕事したいと思っていたアーティストとは実際もう仕事しちゃったんだ。僕にとってポーランドで最高のプロデューサーはヌーンだけど、一緒にアルバムを作ったし、素晴らしいボーカリストのミシャとももうレコーディングしているし。ケイティーとはライブで一緒に演奏するのが最高なんだ。彼女はとんでもなくかっこよくて、クレイジーだよ。まだ音楽を始めてない頃、彼女のライブに通って、仮に彼女と一緒にライブできたら最高だろうなぁって思ってたのを覚えてる。それにシンクロ。僕にとってもっとも興味深い海外のプロデューサーである彼とも、一緒にレコーディングした曲があるし、同じレーベルからリリースしてる。とかね。だから、いつか仕事してみたいっていうアーティストは今はちょっといないかな。HV/NOONのアルバムに参加しているアーティストたちも、とんでもないくらい素晴らしいしね。ハデスとも曲作ってるし、ユスティナ・シフィェンスが参加してるリスィというバンドのリミックスもやったな。唯一、一緒に仕事したいと思ってて実現しなかったのはラッパーのソクウだ。彼もHV/NOONに参加してくれるはずだったんだけど、忙しくて実現しなかったんだ。ステファン・ヴェソウォフスキとの共作は僕にとって栄誉だよ。


近年ポーランドでは、エレクトロ・ミュージックが流行っていて、たくさんの若いアーティストが出てきているよね。この傾向についてどう考えてる?

すごくいいと思う。6、7年前のポーランドのエレクトロ・ミュージックはまぁまぁだった。アマチュアのプロダクションが少しあって、そこそこのレベルの音楽をやっている奴らがわずかにいた程度さ。中には、友達のラディカル・グールーみたいに成功したり、セッション・ビューみたいにかっこいい音作ってるアーティストもいたけどね。今じゃ、ポーランドのプロデューサーたちは、イギリスやスウェーデン出身と言われても分からないくらいレベルが高いよ。ポーランド人アーティストたちも少しずつ世界に出て行ってるし、ライブのレベルも非常に高い。レベカやクラヴェス、リスィがいい例だね。U Know MeやTechnosoulといったレーベルの仕事も素晴らしい。僕の趣味ではないけど、フリルティーニもすごく人気だね。本当にこのシーンはいい感じに進化してるよ。新しいアーティストたちは、大体みんな若いんだ。僕は、真剣に音楽をやり始めたのは27歳のときだったけど、最近のニューフェイスはみんな20~22歳とかで、もうかっこいいアルバムをリリースしていたりするんだよ。おかげでちょっと年寄りみたいに感じるよ(笑)。

一方で、僕の世代が音楽を始めた時っていうのは、今とまったく違う時代だったことも事実だ。コンピューターで作業するのを始めた頃、どうやって使ったらいいのか、どうやったら自分が好きなアーティストのサウンドを手に入れたらいいのか分からなかったなぁ。今はYouTubeを探せば「◯◯なサウンドの作り方」のチュートリアルが出てくるんだもの。YouTube以前の時代は、なんでも自分でトライしてみなきゃならなかった。でも、それだって面白かったんだ。それらのトライ&エラーを重ねたおかげで、自分のサウンドというものを手にいれることができた。昔、僕が好きだったプロデューサーたちと同じような音を作ろうとして失敗して、そのままそのサウンドが残った。僕の特徴的なサウンドはそこから生まれたんだよ(笑)。


無人島に3枚CDを持って行くとしたら?

間違いなくボーズ・オブ・カナダのアルバムをどれか持って行くね。たくさんあるけど、どれか選んで持ってく。それからグラマティクの「Światła Miasta(街の明かり)」。このアルバムは何年も聴いているけど、全然退屈しないし、聴くたびに感情を呼び起こしてくれるんだ。最後にグルーパーのアルバムをどれか。グルーパーはクランキーというレーベルからリリースしているアメリカのボーカリストで、とてもユニークだよ。すごくかっこいいからオススメするよ。



ありがとうございました!

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